ニュージーランドで運転する時に気を付けるべきことはいくつかありますが、中でも日本にない交通ルールはきちんとルールを知った上で、実際に何度も運転して慣れることが必要です。
運転しながらルールを思い出すのは危険のもと。是非ここでルールを頭の中に入れてしまって、実際の運転に臨んでください。
まず最初は、いくつかあるニュージーランド特有の運転ルールの中でも、誰もが一度は迷ったり困ったり危ない目に遭ったりしている ラウンドアバウト についての解説です。
決して難しくはありませんので、あまり身構えずに読んでみてくださいね。
Table of Contents
ラウンドアバウトとは?
図のように円形の交差点で、中が一方通行になっているものです。ニュージーランド(や日本)のように左側通行の場合、時計回りに一方通行になります。
ロータリー、または、環状交差点とも呼ばれていますが、ニュージーランドでは日本人同士の会話でも ラウンドアバウト と呼ばれることがほとんどです。
ルールはシンプル
- ラウンドアバウト進入時は、右側が優先(Give way)
- ラウンドアバウト進入時のシグナルは、通常の交差点と同じ
- ラウンドアバウト内での車線変更禁止
- 退出時は 必ず 左折シグナルを出す
基本はこれだけです。簡単ですね!
ただ、ラウンドアバウトの通り方を間違えて覚えている人が多く、周りに聞いたり流れを見ていても混乱してしまうことから、ラウンドアバウトは難しいし怖いという印象を持つ人が多いようです。また慣れるまでは、タイミングを上手く合わせるのが少し難しいかもしれません。
ただ、慣れてしまえば、信号のように止められるストレスなく通り抜けることが出来ますし、通り抜けること自体が楽しくなってきたりしますよ。
ラウンドアバウトのある光景
ネルソンで見られるラウンドアバウトをいくつか紹介します。
都市部のように複雑なものはほとんどありませんし、上から見ていないので少し分かりづらいかもしれませんが、運転席から見える風景には近いと思います。
1車線四差路
動画からのスクリーンショットなので少し画像が荒いですが、一番シンプルな交差点でのラウンドアバウトです。
すべての道が一車線で、普通の四つ角のようにほぼ直角に交わっています。
最初にラウンドアバウトの通り方を練習するのは、こういうところがよいと思います。
1車線(橋)
こちらのラウンドアバウトは同様に四つ角ではありますが、1本の道がそのまま橋(しかも結構狭い)に繋がっています。
手前の道だけ、写真で少し写っているサイクルレーンがあります。また写真では分かりませんが、左側の道もすぐのところに脇道があり、初めて通る人は混乱しがちな場所になります。
大型2車線
交通量はそこまでではないですが、ネルソンの町中から近いところにあるSH6へつながるラウンドアバウトになります。
道は4方向にありますが、写真から正面は駐車場などでほとんど向かう車はないので、基本右左折のみになると思います。
ネルソンで一番大きく、忙しいラウンドアバウトは空港近くに2連続でありますので、そこに挑戦する前にここで練習するのがいいかもしれません。
ラウンドアバウトへの誤解
ラウンドアバウトほど、地元の人たちも旅行者や留学生も、間違って覚えている人たちが多い道路はないと思います。
例えば
・直進する時はシグナルを一切出さない
・右折する時は右折シグナルで入って、退出時までずっと右を出す
こんな運転をしている人はいませんか?
また、大きなラウンドアバウトに入ってから出口が違うのに気が付いて、慌てて車線変更したことはありませんか。
「そうやって運転するって教わったよ」という人もいるかもしれません。
でも、それらは違反である上、混乱を生む運転で、事故のもとになりかねません。
(今の状況が既に混乱しているとは思いますが…)
もし間違って覚えていたという方。
慣れてしまうとなかなか正しい通り方に戻すのは難しいかもしれませんが、今日からでも明日からでも練習して正しく通れるようになりましょう!
正しいラウンドアバウトの通り方
それでは改めて、基本的な四差路のラウンドアバウトを例として通り方を説明します。
ラウンドアバウトに進入する前
まず大切なのは、どのようなラウンドアバウトに進入し、何番目の出口で出るかを知っておくことです。
…と書くと大変なことのように聞こえますが、普通の交差点でも同様です。
ラウンドアバウトの前には次の写真のような看板が出ています。
小さなラウンドアバウトはたいてい、通常の交差点と同様にどのような形が見渡せますし、大きなものは事前に看板が出ていることも多いです
また、今はGoogle mapのようなGPSもありますのでそれらを活用してください。
Give Way ルール
進入時は、右側が絶対優先 です。
丁字路で左折する時と同じように、右側からの車が来ている場合は、そちらが優先になります。
複数車線の場合は、自分の車線に車が来なければ進入できますが、他車線の車がいるとかなり分かりづらくなります。
また、特に車線を跨いで奥の車線に入る時などは、事故が発生しやすいポイントにもなりますので十分注意してください。
左折(ラウンドアバウトに入って、1つ目の出口で退出)する場合
- ラウンドアバウト進入前に左シグナルを出す
- ラウンドアバウトの中ではずっと左シグナルを出し続ける
- ラウンドアバウトを退出し終わるまで左シグナル
左折は、一番簡単な通行です。
通常の左折と同様、最初から最後まで左シグナルを出し続けてください。
直進(ラウンドアバウトに入って、2つ目の出口で退出)する場合
- ラウンドアバウト進入前にはシグナルは出さない
- 1つ目の出口を通り過ぎたタイミングで、左シグナルを点灯
- ラウンドアバウトを退出し終わるまで左シグナル
直進、もしくは2つ目の出口で退出する場合は、進入時のシグナルは要りません。
1つ目の出口を通り過ぎた直後に左シグナルを出し、そのまま退出します。
右折(ラウンドアバウトに入って、3つ目以上の出口で退出)する場合
- ラウンドアバウト進入前に右シグナルを出す
- 2つ目の出口を通り過ぎるまで、右シグナルを出し続ける
- 2つ目の出口を通り過ぎたタイミングで、左シグナルを点灯
- ラウンドアバウトを退出し終わるまで左シグナル
右折、もしくは3つ目以上先の出口で退出する場合は、進入時に右折と同様、右シグナルを出します。
中では右シグナルを出し続け、退出する出口の直前の道を通り過ぎた直後に左シグナルに変更し、そのまま退出します。
これは、ラウンドアバウトを使ってUターンする時も同じです。
混乱してしまいそうなケース
出口が直角でなく、角度がある場合
それぞれの出口が直角でなく、角度がある場合は、シグナルの出し方を迷うこともあると思います。
その場合は、基本的には出口の数(いくつ目で退出するか)で考えてください。
ただし、いくつめかに関係なく、180度以上の角度がある出口で出る場合(特に向こう側が見通せないラウンドアバウトの場合)、右シグナルを出して進入しても大丈夫です。(ここが混乱の原因のひとつになっているとも思わなくはないですが…)
この車線じゃなかった!
例えば複数車線のラウンドアバウトに入る前に間違った車線に入ってしまった場合。
もしくは、ラウンドアバウトに入ってから、ここの車線では希望の出口から出られないことが分かった場合。
両方とも、諦めてルールに従ってラウンドアバウトを抜けてからリカバリーしましょう。
普通の交差点で、入る車線や曲がる道を間違えてしまった時と同じですね。
出口が多すぎる!
たくさん出口があって、もうどうしたらいいか分からない!
そんな時も基本のルールに則れば大丈夫。3つ目以上先の出口で出る時は、右シグナルを出して進入しましょう。
左シグナルに替えるタイミングは、出る1つ前の出口を通り過ぎた後 です。
言い換えると、誰も(違う出口で出ることを)誤解しないタイミング で左シグナルにしてください。
言葉で書くとちょっと分かりづらいかもしれませんが、実際に運転してみるとすぐに理解できるようになると思います。
練習しましょう!
ルールが分かっていても、やっぱり経験しないと慣れることは出来ません。
まずは交通量が少なく、先を見通せるラウンドアバウトで練習しましょう。そもそも運転に慣れていない方は、是非誰かに助手席に乗ってもらってください。
きっと慣れれば、ラウンドアバウトを通るのが楽しくなってくるはずです。
車輌の少ない時など、一度も信号を通らず帰れると、スイスイ気持ちがいいですよ!
もちろんmākohaでも練習お引き受けします。(2021年7月現在は日本滞在中なのですが)
日本にもラウンドアバウトが出来たとのことですので、一回通ってみたいけどちょっと怖い、ニュージーランドに行く前に日本で練習したいという方も、是非ご連絡ください。