ニュージーランドの運転免許を手に入れよう! – 日本の免許からのコンバート編 –

短期の旅行や留学であれば別ですが、長期留学やワーキングホリデー、移住で来られた方は、ニュージーランドの運転免許証(以下、免許)を取ることを視野に入れましょう。

12ヶ月を超えて滞在する場合は国際運転免許証(以下、国際免許)が使えなくなりますまた、日本の免許を持っていれば、かなり簡単に日本の免許をニュージーランドの免許にコンバート(変換)することが出来るのです。

ここでは、ニュージーランドの免許、特にClass 1(普通免許)について、取得するメリット、取得手続きの方法などについてご説明します。

このページで記載されている情報は Transport Agencyのページ で説明されているものであり、2020年4月現在の情報です。
ご自身で手続きされる際には必ず最新の情報を確認してくださいね。

Table of Contents

ニュージーランドの免許について

ニュージーランドの免許の見た目

表面
裏面

ニュージーランドの免許はこんな見た目です。

表面は自分の個人情報として
 ・名前
 ・免許番号
 ・バージョン番号
  (同じ免許でも発行ごとにバージョン番号が変わります)
 ・ドナー登録情報
 ・住所(希望者のみ表示)
が表示されています。

裏面は所持している免許やエンドースメント(付加資格)の情報です。左の画像であれば
・Class 1(日本の普通車免許)フルライセンス
・発効日
・失効日
となります。

ニュージーランドの免許をとるメリット

1年以内の期間、車の運転をするだけであれば国際免許で十分です。
ただ、ニュージーランドの免許取得には以下のようなメリットがあります。

・ 有効期限が10年なのでニュージーランドに来るたびに国際免許を取る必要がなくなる
・ 顔写真付身分証明書として使用できるのでパスポートを持ち歩く必要がなくなる
・ 年齢確認等、IDチェックの際にすぐに出せる(パスポートよりかさばらないし安全)
・ レンタカーを借りる時にもこの1枚で大丈夫(国際免許の場合、日本の免許も提出の必要があります)
・ 持っててカッコいい(個人の感想です)

ニュージーランドの免許にコンバートできる人

日本の免許からニュージーランドの免許へコンバートすることが出来るのは以下の方です。

・現在有効な日本の免許を持っている人(免許停止/取り消し等になっていないこと)
・もしくは日本の免許が失効してから12ヶ月以内の人

日本の免許からのコンバートは、普通免許(Class 1)に限り学科試験・実技試験が免除されますが、日本で免許を取得してから2年以内の人は実技試験が必要になります。

注意:
日本の「オートマ限定」はニュージーランドにはありません。
その為、普通車オートマ免許をコンバートするとClass 1フルライセンス(マニュアル車も運転できるもの)となります。

ニュージーランドの免許へのコンバートの方法

申請に必要なもの

コンバートの申請前に準備が必要なものは以下の通りです。

  1.  申請書(アプリケーションフォーム)
  2.  写真付きの身分証明書(パスポート) ※ビザの確認も行われることがあります
  3.  日本の免許証 *1
  4.  日本の免許証の英訳 *2
  5.  2-4のカラーコピー
  6.  申請料金
  7.  健康診断書 *3

*1 国際免許ではなく日本のオリジナルの免許になります。
*2 認可のある翻訳が必要です。残念ながら現在のところ日本で発行された国際免許は認可のある翻訳と認められません。
*3 Class 1のコンバートの場合は、てんかんや糖尿病等の持病がある方など、一部の方に限られます。
  詳細は Medical requirements のページでご確認ください。

アプリケーションフォームの記入

申請用紙(アプリケーションフォーム)は こちら からダウンロードできます。ただし印刷が必要です。
また、AA(New Zealand Automobile Association)や VTNZ (Vehicle Testing New Zealand)の各事務所でも入手できますので、手軽な方法でご用意ください。

記入はあまり難しくないと思いますが、いくつか迷いそうなところは以下で色違いでマークをしてみました。
内容についてはこの下で簡単にご説明しています。

 ・アルツハイマー
 ・頭部または脊椎の損傷
 ・四肢の切断
 ・高血圧
 ・けいれん
 ・関節または四肢の問題
 ・糖尿病
 ・精神疾患
 ・複視
 ・脳卒中
 ・てんかん

 ・75歳以上
 ・Class 2-5(トラック)の免許をコンバートする場合で、5年以内に健康診断書を提出したことがない
 ・過去5年以内に健康上の問題で運転に影響があった場合

免許の翻訳をする

日本の免許証の翻訳は こちら から認可されている翻訳会社を探すか、日本の大使館(または領事館)にお願いするかです。
翻訳会社に依頼する場合と、大使館・領事館に依頼する場合の違いを下記に簡単にまとめました。
*マークが付いているものはそれぞれの会社によって違いますので、利用の前に問合せてご確認ください。

翻訳会社大使館・領事館
申込みメール等オンラインで可能申請は直接のみ
値段$40~*$29
支払い方法振込・カード等OK*現金のみ
日数2日~1週間程度*3営業日
受取り郵送・手渡し・データ等*手渡し

オークランド・ウェリントン・クライストチャーチの各都市に住んでいる方は、値段を考えると大使館・領事館がお手軽かもしれません。(現金の準備はお忘れなく)
他の都市に住んでいる方は、移動の手間を考えると翻訳会社が手軽で良いでしょう。

私が申請した際は翻訳会社にお願いし、免許の提出も翻訳の受取もすべてオンラインで終わらせ、それを印刷して持って行きました。2017年当時、申請時に受付の方に「印刷しているものは原本ではない」と言われましたが、「そもそも翻訳原本をデータでもらっているのでこれ以外は提出しようがない」と話して無事申請を終了することが出来ました。

申請しよう

準備がすべて終わったら、申請に行きましょう。申請自体はとても簡単です。
写真撮影があるので、撮られてもいい服装で行きましょうね。

コンバートを受け付けているエージェントを探す

ニュージーランドで免許関係手続きをしているのはNZTAもしくは前述のAAとVTNZですが、すべての事務所が手続をしている訳ではありません。NZTAの こちら のページからお住まいの地域を選択して最寄りのエージェントを探してください。

ちなみにネルソン・タスマンエリアでは、ネルソンのAAでしか手続きは出来ません。

視力検査

ニュージーランドでClass1の免許に必要な視力は 6/12 です。…って言われてもよく分かりませんよね。
日本の視力に直すと 両眼で0.5 になります。 

視力検査はお医者さんで視力検査、または健康診断をしてもらうことも出来ますが60日以内のものでないといけませんし、有料になります。申請時にエージェントで視力検査をしてもらえば無料で出来るので、普通の方はこちらが手軽で良いでしょう。

ただ、ひとつだけ注意していただきたいことが。これはもしかしたらネルソンのAAだけかもしれませんが…。
「エージェントの視力検査の機械はすごい見えづらかった」です。
なかなかレアケースだとは思いますが、裸眼で視力ギリギリだけど出来れば眼鏡はかけたくない…という方は、視力検査を事前に受けておくという手もあります。

visual, visual test, vision

以下、個人的な思い出ですが。

私は手続き当時、両眼・裸眼で0.7-0.8あったのですが、乱視と近視といういわゆる「ガチャ眼」でした。機械では片目ずつ測るのですが、レンズが曇っている上に係の方に急かされて「これはメガネコースかも!」と不安になったところでギリギリパス。

その後、他の資格を取るために健康診断を受けに行き、お医者さんで視力検査をやった時は、両目で、かつ壁に貼ってある視力検査表をパバーッと指して答えるだけで終わりとなり、「え?」と拍子抜けしたのを覚えています。

写真撮影と署名

エージェントで写真を撮影します。だいたい普通のちょっと古いデジカメです。この写真が免許に載って10年使うことになるのでいい顔で撮られましょう。(あまり笑顔だとNGになるのでご注意を)

さらに署名もその場で機械に書き入れ、それがそのまま免許に記載されます。
これもネルソンのAAだけかもですが、パッド部分が使い込まれすぎて凸凹だったのでペンが上手く走らず、漢字で署名をしたらすごく悲しい出来上がりになりました…。資格を取って免許を更新する機会があったので、今はアルファベットで署名をしています。

signature, sign, writing

申請料金

日本からClass1のコンバートだけであれば、セオリーテスト(学科)もプラクティカルテスト(実技)もありませんので

事務手数料 $52.10

が必要になります。
テストが必要な場合、別のクラスも同時に申請する場合など、詳細はNZTAの
こちら のページからご確認ください。

試験(セオリーテスト・プラクティカルテスト)が必要な場合

手続きをしている AA もしくは NZTA でテストの予約をしましょう。
2020年現在、プラクティカルテストはどこも大盛況で1年に渡ってかなり混雑しており、申し込んでから受験が1ヶ月先などということも珍しくありません。

待つ ⇒ 郵送されてくる!

実際の手続きは10-20分程度で終了です。後は待つだけ。
基本的には3週間以内に手続きが終了し、登録した住所に送られてくるはずです。大事なIDですが結構軽くポストに入っていますのでご注意ください。

もし3週間を過ぎても免許が届かない場合や、やむを得ず待っている間に住所が変わった場合はNZTAに連絡してみましょう。

※ただし現在は、もともとNZTAはオフィス移管の影響で手続きに時間がかかると告知されていた上、Covid-19の影響ですべての手続きに時間がかかっていますので、さらに時間が掛かると思っていた方がいいかもしれません。

不明点があればお問い合わせください

もし免許のコンバートをしたいけれど、まだ不安がある…という方は、 お問い合わせ のページからご連絡ください。
また、プラクティカルテストの前に練習をしておきたいという方がいらっしゃいましたら driving lesson のページからご予約いただけます。

他にも免許や車に関しての情報を発信していこうと思っていますので、知りたいことがある方はリクエストもお待ちしています。